「親の介護が大変だし、できないことが増えてきたから、特別養護老人ホームは安いっていうし、入所できないかな?」
「入所判定基準がどんなものなのか知りたい。」
「特別養護老人ホームの早く入れる方法や裏ワザ的なことがあるんなら知りたいな。」
って思っていませんか?
私は薬剤師として、老人ホームの入所者さんの薬を調剤したり、病態を確認したりはしていますが、具体的な特別養護老人ホームの入所判定基準や優先順位がある事を知りませんでした。
実の母がガンで手術を受けて抗がん剤治療をするようになったり、義理の母が認知症になったり・・・
自分が50代になるといろいろ介護の問題が出てきそうなので、改めて勉強と自分の終活を兼ねて「特別養護老人ホーム」についていろいろ調べてみました。
ちょうど、義理の姉が、ずっと特養で働いていて、昨年、自分の勤めている特養に”実の父親”を入所させたので、具体的な話もご紹介します。
この記事に書いてある裏ワザを実行すると、親、もしくは自分の特別養護老人ホームへの入所が早くなって、金銭的にも肉体的にも安心して過ごすことができますね。
特別養護老人ホームに入所を考えたり、親の介護に疲れている人など、早め早めに情報を得て、準備することが、めちゃくちゃ大事なので、チェックしてみてください!
特別養護老人ホームとは?
特別養護老人ホームは、地方自治体や社会福祉法人が運営している介護施設で、常時介護を必要とする高齢者に対して生活全般の介護を提供する施設です。
略して、『特養』と呼ばれます。
月額の負担金が少ないけれど、充実したサービスが受けられ、一度入居したら、最後まで入居を続けられるので、大人気の介護施設です。
特別養護老人ホームの入所判定基準
特別養護老人ホームの入所判定基準は、とっても厳密です。
特別養護老人ホームの2つの入所条件
①要介護3以上
要介護1~2の人でも、特例で入居できる場合があります。
- 認知症である者であって、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られる
- 知的障害・精神障害等を伴い、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さなどが頻繁に見られる
- 家族。その他による深刻な虐待が疑われる等により、心身の安全・安心の確保が困難な状態である
- 単身世帯である、同居家族が高齢又は病弱である等により、家族などによる支援が期待できず、かつ、地域での介護サービスや生活支援の供給が不十分である
②65歳以上の高齢者
特定疾病に罹患している場合なら40~64歳までの人でも入居が認められます。
でも、よく待機者とか聞くけど、入所の優先順位の決め方はどうなっているの?
特別養護老人ホーム入所の3つの優先順位
希望者が多い場合は、申し込んだ順に入居が決まるのが原則なんだけど、緊急性が高いって認められたら、優先することがあります。
どういったことが、その優先してもらえる条件なのか、チェックしておきましょう!
特養入所の3つの優先順位
- 介護の必要性が重度
『要介護度が4や5』『認知症がすすんで日常生活に著しく支障がある』など - 何らかの原因で、早急に対処する必要性ができた場合
『介護者が亡くなる』『介護サービスを受けていたところが閉鎖してしまう』など - 自力で生活できない事情
『独居』『経済的にその他の施設に入居できない』など
何か、早く入れる方法ってないのなしら?
特別養護老人ホームに早く入れる方法や裏ワザ
特別養護老人ホームは、負担金も安いし、皆さん早く入所したいと思いますよね。
「たくさん待っている人がいるのに、どうやって順番を決めてるの?ちょっとでも、早く入れる方法とかあるの?」
ってきいてみました。
特養に早く入れる方法や裏ワザ
基本的な入所順位決定基準は、下の4つを点数化して特養入所希望者調査票に記載されます。
(注:入所判定の基準は都道府県で違います)
- 本人の状況(要介護度)
- 介護の必要性
- 家族等介護者の状況
- 入所申し込みからの期間
裏ワザとして、この4つの点数を上げる方法を考えればいいんです!
つまり・・・
本人の状況(要介護度)に変化があったら、すぐに施設側に連絡する。
「連絡と同時に、改めて申し込みをし直す」というやり方でもOK!
デイサービスなんかをしている施設だったら、デイサービスを利用しておいて、職員さんと顔見知りになっておくのも一つの手♪
同時に2ヵ所以上の特別養護老人ホームに申し込んでおく
入所してもいいと思える特養がほかにもあるのであれば、2つ3つと申し込みしてもOKです。
家族との同居を止めてみる
『独居』だと優先順位は高くなります。入所が決まるまで何とか頑張れそうなら試して見るのもいいですね。
地域を広げる
現時点で住んでいる地域などにこだわらずに、待機者数の比較的少ない地域も検討する
とはいえ、「終の棲家」となる可能性が高い施設です。特養だったらどこでもいいというわけにはいきませんよね。
たくさんある特別養護老人ホームの中から、希望する条件にあったものをいくつかピックアップして紹介してもらって、その中で気になる施設を見学するという流れが一番確実です。
特別養護老人ホームのメリットとデメリット
ここで、改めて特別養護老人ホームのメリットとデメリットを押さえておきましょう!
特養のメリット
- 入居一時金が不要(民間の有料老人ホームとの大きな違いですね)
- 介護保険が適用されるので、自己負担額を少額に抑えられる
- 月々の施設サービスの利用料金のうち、半額相当が医療費控除対象となる
- 費用が安い
- 長期入所可能(介護老人保健施設は、原則として入所が3ヵ月までと限定されているが特養は終身にわたって利用できる)
- 24時間体制で介護が受けられる
特養のデメリット
- 入所基準が、基本的に要介護3以上と厳しい
- たん吸引や胃ろう、褥瘡などの医療処置が必要な場合、施設によっては対応しておらず、出ていかないといけない可能性がある
まとめ
【特別養護老人ホームの入所判定基準|早く入れる方法や簡単な裏ワザも】ということでお届けしました!
- 特養の入所判定基準は、特例はあるものの、『65歳以上で 要介護3以上』
- 少しでも早く入れるようにするには、要介護が進んだらすぐに連絡をして、複数の特養に申込みしましょう
- 地域を広げたり、家族との同居を止めてみる
少しでも早く、希望する特別養護老人ホームに入所できるといいですね。